心も体も、寒いなら抱いてやる
5階の503号と隣室の504号のツインの部屋が用意されていた。」

エレベーターの中、みのりは「今日でマネージャー代行も終わりかあ。なんか、全然役に立たなかったね。ごめんね」と俊に謝った。

「いいよ、べつに」

前を向いたままの俊のぶっきらぼうなの答えに、「いいよ、べつに、って」と、みのりは吹き出した。

「普通、最後の慰労の言葉として『そんなことないよ』とか言ってくれたりしない?」

「しない」

「あっそう」

照れ屋なところは変わっていないようだ。

「それにビィのシッターが始まるし」

確認するように俊が言う。
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