心も体も、寒いなら抱いてやる
そうは言われても、とまどいと驚きでみのりは「寝ていられるわけがない」と思ったのに、それも束の間、俊の静かな寝息に引き込まれ、あっという間に2度寝の愉楽に落ちていった。

先に目覚めた俊が自分の部屋に戻ったときにも、みのりはまだ眠りの中にいた。

俊が「おはよう」と耳元で囁いて、その小さな耳たぶを少し齧ってベッドを出たことにも気づかずに。
< 193 / 209 >

この作品をシェア

pagetop