心も体も、寒いなら抱いてやる
「俊!」
花蓮がどなると同時にソファの上のクッションを、俊めがけて思い切り投げつけた。
クッションは俊の横顔に見事命中した。
俊は「ふん」と花蓮をにらみ、足元に落ちた白いクッションを蹴り飛ばしながらようやくバッグから取り出した財布からカードを一枚抜いて、「はい、よろしく」とみのりに押しつけた。
「支払いはそのカードでして。なにかあったらすぐに連絡しろ。連絡先は花蓮が知ってる」
それだけ言うと、事態が呑み込めないまま犬とカードを受け取ったみのりにはもう見向きもせずに、俊は部屋を出て行った。
その後ろをスーツ姿の男性が慌ててついていく。
花蓮がどなると同時にソファの上のクッションを、俊めがけて思い切り投げつけた。
クッションは俊の横顔に見事命中した。
俊は「ふん」と花蓮をにらみ、足元に落ちた白いクッションを蹴り飛ばしながらようやくバッグから取り出した財布からカードを一枚抜いて、「はい、よろしく」とみのりに押しつけた。
「支払いはそのカードでして。なにかあったらすぐに連絡しろ。連絡先は花蓮が知ってる」
それだけ言うと、事態が呑み込めないまま犬とカードを受け取ったみのりにはもう見向きもせずに、俊は部屋を出て行った。
その後ろをスーツ姿の男性が慌ててついていく。