僕と8人の王子
‘‘アイドルと同居”
ここでまた途轍もなく破壊力を持った単語が脳裏に刻まれた。
もしも僕が女だとバレて、それが外部に知れたら確実にスキャンダルものだと世情に疎い僕でもわかる。
入学当日にして先が思いやられるような事ばかりで、溜め息をついてしまう。
そんな僕を心配する青の後ろから他の『spinner』のメンバーが続々とリビングに集まって来た。
「あ‼︎日向!これからよろしく」
「奏太。う、うん。こちらこそよろしく!」
すると8人共僕のことを凝視してきた。
さすがに8人の視線は痛い。
それに、今まで気にしてなかったけど、皆顔が整いすぎてる。
アイドルだから当たり前なんだろうけど。
そろそろ僕の心臓がもたなくなってきた。
「な、何?」
「あはは、ひな顔真っ赤じゃん。やっぱ可愛いな」
(か、か、か、‘‘可愛い”って…。竜くん?)
どうしよう、僕が可愛いわけなんてないのに、そんな笑顔で言われると、顔から火が出そうなくらい恥ずかしい。