僕と8人の王子
「じょ、条件って…、何?」
緊張のあまり、息を呑む。
「えーと、…考えとく」
「……え?」
「だから、今はないから考えとく」
どんな突拍子のない事を言い出すかと思いきや、考えとくって⁉︎
逆に予想外すぎて唖然とする。
「あ、そうだ。俺、タオル取りに来たんだったわ。忘れてた。もう行くな」
「じゃあ僕も行くよ。用は済んだし」
「そうだ、ひなも今のうちにシャワー浴びなよ。でもちゃんと鍵はするんだよ」
バタン
部屋のドアが閉まり、この空間に僕1人となってからも、しばらくの間立ち尽くしていた。
そして、最終的に得られた結果は、
“あの兄弟は怖すぎる‼︎”
という事。
それから頭を整理させるため、シャワーを浴びた。
シャワールームも意外に広くて、9つ仕切りとそれぞれにシャワーがついている。
小窓からの景色はさっき通ってきた校舎が見えた。
サッパリしてから、届いていた荷物を自分の部屋に移すといかにこの学校が金持ち学校なのかがわかる。
8畳分のスペースに、窓が1つ、クローゼットにタンス、デスクに本棚まである。
おまけに小さな冷蔵庫も。
荷物の整理が一通り終わった頃には頭もスッキリしていた。
リビングに戻ると、もう皆帰って来ていて、気が付いたら13時半でお腹も減っていたから、食堂にお昼ご飯を食べに行くことにした。