僕と8人の王子
ひとりじゃない?!

この人は一体何を言っているんだろうか。


「ん?えっと、なんで釣り部?」

「俺が釣り部の部長だからだな」

「…そう、なんだ」


昔からお兄ちゃんは面倒見が良くて、いつも助けてくれた。
きっと今回もその延長線上で心配してくれてるんだと思う。


でも、このまま迷惑をかけ続けるわけにはいかない。


「気にかけてくれてるのは嬉しいけど、僕は大丈夫だよ。だから部活には入らな…」

「それは困る!いや、まぁひなたの気持ちも尊重したいが、これは死活問題なんだ!うちの部は諸先輩方が引退されてから部員は俺一人、新入部員も未だゼロなわけで…。このままだと廃部にされてしまう!!」

「え?あ、そういう…」


自分の見当はずれの解釈と自意識過剰に恥ずかしさがこみ上げる。


しかし、これで入らないという選択肢が無くなってしまった。



入部してしまえば僕も忙しくなって、寂しくなくなるのかなぁ…。





寂しい………?


おかしいよね、昔から一人でいることには慣れてるのに、


今更、こんな気持ち…






「ひな、蓮、大丈夫!?」

「ひなた、蓮に変なことされてない?」

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