僕と8人の王子
クラスメイトは……⁈
「倉瀬君?どうしました?」
「い、いえ」
「顔が赤いですが熱でもあるんじゃ...」
「本当に何もないですから」
泉先生は眉を潜めた。
「...そうですか。でも、無理はしないでくださいね」
それから思い出したように。
「あ、そうそう。これからクラス発表がありますが、倉瀬君には先に言っておきますね。私達は1年5組です。では、行きましょうか」
そう言って僕らは職員室に寄ってから、本校舎の3号館4階にある1年5組へと向かった。
教室に着いた頃にはもう他の生徒達は席に着いていて、僕はクラスメイトからの視線を感じつつ慌てて自分の席に着いた。
周りには男子しかいない。
分かってはいたけれど、やはり相当な違和感である。
カッ、カッ、カッ
泉先生が黒板に名前を書いていた。
「今日からこのクラスの担任になりました、泉忠也です。担当教科は社会で、君たちには歴史を教えることになります。よろしくお願いします」
パチパチパチパチ
「それでは、初めに出席をとります。今井あ......」
ガラッ
教室の扉が開いた。
みんなの視線が切り替わる。
そこに立っていたのは、髪の毛に寝癖の付いた機嫌の悪そうな人。
でも、その端正な顔立ちに見入ってしまいそうなほどかっこいい。
何処かで見たことがあるような気がしたけど思い出せなかった。
「遅れてすいません」
「初日から遅れて来るとはいい度胸ですね」
優しい声で話す先生、...目が笑っていなかったのはきっと気のせいだ。