琥珀の記憶 雨の痛み
「おま……ユウッ!」

慌てたタケがその発言を咎める。


「メグの足は別に太くない! ナツの足は……美味しそう!」

お調子者のアツシが違う角度からフォローを入れた。


「ユウくん、最ッ低ー!」

言いながらおどけてベーッと舌を出すナツも、無言でユウくんの頭を叩いたメグも、別に気にしてないとアイコンタクトをくれる。


言った本人だけは、それを何とも思っていない様子だった。


「アンタさぁ」

冷たい声が、止まらない。

相変わらず彼の手元からは、白い煙が上って行く。

目を見るのが怖くて、その煙の行先を追いかけたのにすぐに霧散してしまうのだ。


「見下してんだろ、俺らのこと。なんでここにいんの?」


今度こそ、凍りついた。

攻撃の意図を隠さない言葉に驚いたからなのか、それとも。

みんなも薄々、そう感じていたからなのか。


誰もしゃべらずに、ただ息を呑み込んで私を見ていた。


なんでこの男に。

こんな風にみんなの前で罵られないといけないんだろう。
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