臆病者の鬼遊び



(今のは、どういう意味だろう……?)


「……顔が赤いわよ」


「赤くないもん」


「ふふふ、自分で分かるもんですか。

まっかっか~♪」


「もう、やめてよ!」

「鏡持ってきてあげましょうか?」

「いいってば!」

「ほらほら遠慮しなさんな♪」

「やだーっ!」
 

二人がいつものように騒いでいると、そのうち倫太郎も帰宅して、台所に顔を出した。


「……何をしてる」


 
倫太郎は、手鏡を持って七海子に詰め寄っている花代さんと、壁際に追い込まれた七海子に声をかけたが、


「おかえりなさいリンタロ君! 

ピーマン食べられる?」


「……はぁ?」
 

余計に頭を悩ませることになるのだった。


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