臆病者の鬼遊び



さっさと平らげて、出て行こう……。
 

七海子はそう決心して、なるべく大きなご飯の塊を、ばくりと頬張った。
 

同時に、倫太郎がいきなり問うた。


「あいつらとは親しいのか」


「ゲッホ!」
 

驚き、激しくむせ返ってしまった。
 

あいつら、というのは、クラスの男の子達だろう。


男の子と接するのは、あまり得意ではない。


せいぜいが挨拶程度で、会話となるとたじたじになってしまうのが七海子だった。
 


咳が治まってから、やっとの思いで、「あんまりは……」と答える。



「なら、何を言われようが、別にいいじゃないか」



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