臆病者の鬼遊び
か、……顔が近い!
しかし、倫太郎はとても怒っていたので、
きゃっドキドキ☆という雰囲気とは程遠かった。
おまけに七海子の顔は血の気が引いて、青ざめている。
教室中が驚いて、息をのむ。
担任が飛んできた。
「いきなりどうしたんだ、木崎!
あれ、そういえば七海子の名字も『木崎』だったか?
おお……、偶然だなお前達!
まあ、ここは同じ名字同士、仲良く、だな……?」
どうやら担任は、七海子が居眠りをしていた事を、倫太郎が怒っているのだと思ったらしい。
しかし二人は、そんな理由ではない事を知っていた。