臆病者の鬼遊び
「鬼はもともと、いくつもの体に同じ狂気が宿っているものだ。
心が同じというべきか……。
だから、一体が生き残ったというより、全部の個体が合体して新しい意識が生まれたと言った方が正しいのかもしれない」
しかし、その鬼の血を飲み、鬼の力を得ようとまでした者が現れた。
もちろん鬼の血など飲んだところで、効果は無い。
それどころか、呪いを受けてしまった。
「ともかく、その一体だけになった鬼は、血を飲んだ人間に呪いをかけた。
……それが、よりによって、当時の当主だった。
呪いは、こういったものだ。
……木崎家が、鬼を調伏する力を消す――。
……そして、呪いを帳消しにする方法は一つ。
鬼に……贄を差し出す事」