臆病者の鬼遊び
「座敷牢!」
「ああ、座敷牢。
……それで、ようやく何年か前に色々と安定してきて、外に出られるようになったはいいものの、
本家には未だに俺が『本当は鬼なんじゃないのか』と疑っている人間が、わんさかいる。
……中には俺の暴走で、一生治らない怪我をして、恨みを抱いている奴だっている。
だから俺は、とうとう本家から追い出されたんだ……」
「………」
「……おかしな話だろ?
木崎家は鬼を調伏しているはずなのに、その鬼に弱味を握られて、言いなりになっていたなんて……。
当主が、必ず自分の子供を一人、鬼に食わせてきたなんて。
……この話は、本家でもトップシークレットさ。
もし明るみになったら、今ある全てが崩壊しかねない……」
――ピーンポーンパーンポーン……