臆病者の鬼遊び
 


すると、ひらひらと動く新聞紙が面白く見えたのか、


タビちゃんがタシッ! と猫パンチを繰り出して来た。


「あ、こら」
 

タシッ! タシッ! 


「やだっ」


「ヤ~ォ!」


「邪魔しないでよぅ……もう!」
 

七海子はハサミを置き、タビちゃんの無防備なお腹をわしゃわしゃー! っと撫でた。
 

もう片方の手で、喉の辺りも撫でる。
 

途端にタビちゃんは、ご機嫌で目を細めた。


「こちょこちょー!」
 

タビちゃんは、ゴロゴロ言い始めた。
 

何だか面白くなってきた七海子は、更にタビちゃんをいじくり回した。


< 130 / 219 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop