臆病者の鬼遊び
すると、ひらひらと動く新聞紙が面白く見えたのか、
タビちゃんがタシッ! と猫パンチを繰り出して来た。
「あ、こら」
タシッ! タシッ!
「やだっ」
「ヤ~ォ!」
「邪魔しないでよぅ……もう!」
七海子はハサミを置き、タビちゃんの無防備なお腹をわしゃわしゃー! っと撫でた。
もう片方の手で、喉の辺りも撫でる。
途端にタビちゃんは、ご機嫌で目を細めた。
「こちょこちょー!」
タビちゃんは、ゴロゴロ言い始めた。
何だか面白くなってきた七海子は、更にタビちゃんをいじくり回した。