臆病者の鬼遊び
「大丈夫か?」
担任が、七海子の目線に合わせてしゃがみ込んだ。
七海子は呼吸を整えながら、こくこくと頷いた。
全然大丈夫では無かったが、どうせ事情を話したところで信じて貰えないだろう。
(やばい……私、終わった……)
授業が始まった。
しかし七海子はずっと停止していた。
その、あまりの放心ぶりを心配したまっちに、口に飴玉を詰め込まれるまで、
微動だにせず、黙りこくっていた。
(やばい……遂に来た……)
七海子は、泣きたくなった。