lover...



正直になんて今まで一番避けてきた。

付き合ったら「こうしたら重く思われるんかな」とか考えすぎて私の気持ちは伝わらずに終わる。

相手に「重い」と思われるのが1番いやだ。


「でも、自分から気持ち伝えたりはしません」

空振りして終わるなんて1番いや。

でも結局自分が傷つきたくないだけ。

最低だな、私。


「向こうからくるのを待つってことね?度胸あるんや!」

からかうように山岡さんは笑う。


「へへ、そーなんですよ(笑)」







<<受信:レオ ひまやけん、電話していい?>>

時刻はもう20:00で夜。


<<送信:レオ いいよ>>

数秒後、かかってくる電話。

よっぽど暇やったんかな。


『おはよ』

いつも学校で朝一に聞いてたレオの眠そうな声。


「もー夜やで」


『今起きたー。明日やな』


「うん。楽しみ。はよレオとルナに会いたい」

いった後後悔した。

私らしくない発言。


『え、ハルめっちゃ素直やない?びっくりしたわ…。』

そこまで驚くことないじゃないか…。

でもそれが今までの私がどれだけかわいくなかったかを物語ってる。


「うーるーさーいー。悪いか、ハルが素直やと」

今日の私おかしい。

レオが好きって自覚してしまったからか。


『いや、ギャップが最高!!』」

こんなんだと本当に私のこと好きなんじゃないかって勘違いしてしまう。


「そういうのは好きな子にいうことやろ」


『え、好きな子やん。…あっ!!』

「え…」

好きな子?

私が?

やっぱり?

ですよね?(笑)


『オレねー、ハルが好きなんよね、ずっと。でも関係壊れるかなーって』

突然そんな告白されても…

返事は決まってるじゃないですか!


「うん。ハルはレオのこと、ルナと天月くんの次に好き。」

天月くんは、私の好きな歌い手さん。

それくらい好きってことだけど、伝わるかな?

あいつ、鈍そうだからなぁ…。


『やっぱりねー。恋愛感情はないよねー。うん、知ってる』

レオはレオだ。

わかんないと思った。


「好き」


『え?』


「レオが好き」


『…え?』


「何回言わせるんぞばか。気づけバカ。」


『え、うそ、マジ?オレの1年の片思いが実った!!』

レオのことだから、電話の向こうで飛び跳ねてるだろうな…。

なんでもレオのことならわかる。


「へー、おめでとー」


『じゃあさ、オレの彼女になってくれるよね?』


「え、いや」


『えー、うそやん、ひどっ』


「うっそー、いいよー」


『やったー!!』

ますます明日が楽しみになっちゃった。

記念日は、3月21日。

今夜は胸が高鳴って眠れないなー!
< 6 / 7 >

この作品をシェア

pagetop