アイドル様の秘密【下】
(さすが…三大ヤクザって呼ばれてる程…雰囲気が違う…)
ゴクんっと喉を鳴らす。
「待ってました。〝帝王〝の姫……」
皮肉に笑う目の前の男。
「初めまして、俺は平門組の若頭、平門 雅也です。」
(こいつが……)
「初めまして、私は六条寺組の六条寺 飛沙です。」
「どうぞ座ってください。今日は俺たちの婚約の話ですよね?」
雅也はそう言った。
「初めにいいますけど、私あなたと婚約する気なんてこれっぽっちもないですから。」
「でもそちらの〝帝王〝が決めたことなのでは…?」
「祖父が決めたことでも私の意思は変わりません。あなたと婚約はしません。」
「そうですか……困りましたね………。そちらがその考えなら…おい」
雅也は近くにいた男に声をかけた。