もう、好きじゃないから
ブーブー。
マナーモードのスマホが震えた。



「はい。花町です。」

「アパートの前にいるから、来いよ!」



「どこいくんだよ〜もう〜…。はぁ〜」

玄関の鍵をかけて階段を下りていくと


スキニーパンツに、チェックのシャツ
ダウンベスト。
カジュアルなスタイルの早瀬奏。


「よっ!」「はぁ〜…。」

「挨拶が、はぁ〜はねぇな!」
「あのね〜!一応、あんた上司でしょ!
言葉遣いなんとかしたら!」

「うるせーよ!今は、プライベートだ!
やかましいわ!」

私の右手を掴みぐっと引いた。

グラっとしたかと思ったら、
ドン、奏の胸の中。


「何すんのよ!」「お前がダイブしたんだろ!」

「うっ……」

なんだか、恥ずかしくて、
言葉が出ない。


「ほら、行くぞ!」

彼が乗って来た黒のセダン。

主任クラスは、わたしとは違う。
給料いくらもらってんだろ??
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