もう、好きじゃないから
車に乗せられ…。

しばらく無言だった。そんな空気を
さいたのは、奏の掌。



すっと、私の髪に触れた。

「なっ…何⁈」「跳ねてた…。」
「あっ…あり…がと」


奏の運転する姿なんて…。初めて見る。

制服の奏しか私の中には、思い出がない
そして、悲しい気持ちと。

1時間程走り、着いた場所。

「ここ…って、学校…。」
連れて来られた場所…。思い出したくない。

「お前…なんで俺を避け続けたんだよ!
理由は?考えたけど、わかんねぇんだ!


「わからなくていい!!今更…。」
ガシッと肩を掴まれジッと私を見る。

どこか悲しげな瞳。

私の頬からわからない…。涙が一雫
ツーっと流れた。

「泣くって…。俺何かしたのか?」

切なくて、悲しかった。あの時。
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