もう、好きじゃないから
「ちょと、ここに居ろよ。逃げんなよ!

走ってどこかに行った。

サッカーゴールのポールに寄りかかり
足元の小さな石を蹴った。

止まらない涙。あの時の会話…。
可哀想だから…。リフレインする。


「ほら!」頬に当たる温かなカフェ・オ・レ
「ありがとうございます。」
奏が私の隣りに来た。

プシュっとプルタブを開け
ホットコーヒーを一口飲んだ。

「あの日、何があったんだよ…。俺は
ずっとお前が来るの此処で待ってた。
連絡しても繋がらない携帯。メールしても返信なし…。なんでだよ!」

耐えられなくなった私は、
「奏にとって、私は、可哀想な子!
だから…付き合ったんでしょ!!私だけ
本気だった。バカみたい!からかわれててたんだよね…。」

「はぁ〜??何それ??誰がそんな事
言ったんだよ?」

プルプル震える手。

「私、あの時、グランドに居たの。奏が
高田君に話してるの聞いた!」

「可哀想だから…付き合った。って」

「あああー!!ったく!!ちげーよ!
最後まで聞いたのか?」
「その場に居られなくて逃げた。」

「あれは、みさきと約束した前日に
神谷が綾に振られて落ちてたから…。
俺と高田で、可哀想だから付き合って
ゲーセンで励ましがてら、遊びにいったんだよ。
その話してたんだよ。

「えっ??じゃ〜…。??」
「そう!!誤解と早とちり!!」
「え〜〜…。」
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