もう、好きじゃないから
うとうとしていた。
時計が深夜1時。

カタンと音がして、

「早瀬…主任?なんで?」
「気がついたか?風邪で倒れたんだよ。
悪いと思ったがアパートまで運んだ。」

「ありがとうございます。ご迷惑おかけしました。もう…大丈夫なので…。」

フラフラっと足元がおぼつかない。

俺は、ぐっと、抱きしめた。

「みさき…。離れて行くなよ。お前が
倒れたから、めちゃくちゃ心配したんだぞ!」
「早…。奏…」
まだ、熱い頬を掌で覆い、
唇を重ねた。
「奏…。ダメ…。か、ぜ…。う〜はぁ〜
移っちゃうよ。」

「構わないよ。全部俺に移せ!みさき!
好きだよ。ずっと忘れられなかった。」

「奏…。う〜っえ〜ん」
泣き出すみさき…。

「泣き虫だなぁ〜…。」
抱きしめた。

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