もう、好きじゃないから

言葉にする勇気

「みさきちゃん!ありがとうね。」

「おばあちゃん!座ってて。」

気持ちの整理をしたくて、
剛くんの実家。カフェに来ていた。

偶然、おばあちゃんの足の具合が良くないと聞き、お手伝いをかって出た。


大学の頃、バイトしていたので、要領はわかってた。
久しぶりに身体を動かし、新鮮だった。


夕方、「私、そろそろ帰ります。」

キッチンから、お母さんが、
「みさきちゃん…。何にか話しがあったんでしょ?違うの?」

椅子を出し、座るよう促す。

静かに腰を下ろし、
出された紅茶に口をつけた。

自分の今の気持ちを話した。

剛くんを傷付けることになるだろう
私の気持ち。


「みさきちゃん…。私達は、自分の子供が悲しむ顔なんて見たくない。でも、
偽ってまで側に居てもらうことも
剛にとっては、苦しみでしかないよ。
まして、みさきちゃんだって、本当の自分を隠して過ごすなんて、そんなの
おかしい。誰も傷付けずなんて、そんなの綺麗事だよ。」

「お母さん…。ごめんなさい。私…。」
涙が止まらない。

「剛のことは、心配しなくていい。
みさきちゃんは、自分の気持ち大事にしてね。」


きちんと答えを出す決意をした。
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