もう、好きじゃないから
「みさき!起きなさい!時間でしょ!」


「はぁーい!」

私は、近郊のアウトレットの一角に
ある、アパレルのお店に勤めている。
あれから、一年。
はじめは、なかなか忘れることができなかった。
何度、泣いたか…。
あの時、答えは出ていた。
私は、奏が好き。
でも、それは、同時に剛くんを苦しめる
だから、二人とさよならした。
逃げた。そうかもしれない。
でも、わたしのなかでは、精一杯の
答えだった。

前に進もう。そう思える様になった。

「おはようございます!」

「みさきちゃん。おはよう。今日もよろしくね。」

マネキンに今年のトレンドのマキシ丈
スカートを履かせ、
春色のトップスを着せ、
「うん!可愛い!」


オープンの時間!


流行りの曲が流れる。

仕入れた洋服をハンガーに掛け、

お客様をお迎えする。


「今日は、遠方から、若い女の子たちの
ツアー客が来るから、頑張っていきましよ!」


同じお店の店員。はるか。

あっという間に仲良くなった。


「いらしゃいませ〜。」

たくさんのお客様が
なだれ込む。

バタバタと、
接客。
「みさきちゃん!倉庫にサイズ確認してきてくれない?Ⓜ︎がすくなくなってるの

「4ーkの商品ですね。了解です!」


バックに入り、
いくつかの色を選び、
店に戻った。
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