もう、好きじゃないから

奏 side

カフェに着いた。

真剣な眼差しで


「二人のどちらか何て選べない。だから
ごめんなさい。」

深く頭を下げ、


「さよなら…。」逃げるように出て行った。



「なんで出て。」項垂れ涙を堪える松田


「みさきが、出した答えだ…。」

背中を向けカフェを後にした。


暫くして、みさきが会社を辞めた事を
知る。

今は、みさきの気持ちを大事にしたかった。

必ず、迎えに行く！
俺は、がむしゃらに仕事した。

社内では、俺を、無愛想な鬼チーフと
呼ぶ奴もいた。

たまに、疲れて落ち込む事もあった。
そんな時、兄貴の嫁さんで
最近、人気のブランドを持つ義姉さんの
商品をうちで扱う話がでた。


待ち合わせして、
近くのおしゃれな居酒屋へ



「義姉さん。久しぶりです。お店順調みたいですね。ところで、うちで扱う事
了承してくれたみたいで、ありがとうございます。」


「ううん。うちとしても、チャンスだし
大手の通販なんて。まぁ、暫くは、
数量限定から、始めるつもりよ。奏君？
よろしくね。」


「こちらこそよろしく」



「あっそうだ！奏君の会社辞めて、うちに、入った子が居るの。名前…。」

システム手帳を開き、

「あっそうそう。花町みさきさん。知ってる？」

「みさき？？」

「知ってんの？？」