LAST PROMISE
龍河の顔が曇った気がした


何度も話しかけてくるので、いつの間にか私も普通に話していた。


「俺ここにいつも来てるんだよね」


知らなかった。私はたまにだからか


会わなかったのは奇跡に近かった


「私はたまにしか来ない」


「そっか」と言ってにこっと笑った龍河は


どこか寂しそうで、切ない笑顔だった。


「私もう帰るね」


もう辺りは暗くて、季節は秋なので肌寒く


帰ってお風呂にでも入りたくなってきた。


「そうだね。また明日も会える?」


「気分による。じゃあね」


私は2年ぶりくらいに笑顔を見せた。


いや、自然に笑顔になってしまったのだ。
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