あの日、僕等は罪を穴に埋めた─secret summer─
≪13≫ 追想のカルマⅢ


「本当にやるのか?千秋」


秋の初め。美菜以外の四人を自分の家へと招いて重要な話をした。


「ああ、でもこれは美菜の為なんだ」
「……けど」
「〝協力〟してくれるよな?」


有無を言わさぬよう、すかさずある人物に目配せをする。


「嫌な役割だとは思うけど、一つ頼まれてやってくれないかな。美菜ちゃんと特別に仲が良い君達だからこそこの話をしたんだ。本来なら門外不出の千社守祭の秘密を。……美菜ちゃんの為にね」


薄っぺらい偽善者の表情を造り上げ、聖達に頭を下げる親父。

〝村長〟という至極わかり易い立場。とことん利用してやるよ。後悔したって、もう遅いのだから。最後まで徹底的に。


「なら、しょうがない、かあ?」
「うん…」
「千秋パパからも頼まれちゃねぇ?」


この時、俺の口元が醜く歪んでいたことはきっと誰も知らない。
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