あの日、僕等は罪を穴に埋めた─secret summer─
今になってやっとわかったよ。

依存していたのは、傷付いていたのは俺だ。あれだけ人を傷付けておいて、その口でよく言えるなって呆れられるだろうけれど。


泣きたかった。
叫びたかった。
止めたかった。
止めて欲しかった。

愛されたかった。

誰かに必要とされたかった。


心が抜け落ちた美菜に、新しい命が入ってくれるんじゃないかなって。そんな馬鹿みたいなことを信じて。綺麗な美菜に、壊れた美菜に、依存して生きていた。二人ぼっち、神社の奥の小さな小屋で。

狂ル、狂ル、狂ル、狂ル、回るカルマ。

千社守祭が行われる一週間前の夏の日の夜。聖に、幸次、綾と早紀、皆を呼び出して。幼馴染みの、六人で過ごす最期の時間は。

あの夏の日の永遠、閉じ込められた――永遠の夏。
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