あの日、僕等は罪を穴に埋めた─secret summer─
*
馬鹿だ、俺。本当に馬鹿過ぎて泣けてくる。
早紀の気持ち、全然気付いてなかった。それどころか美菜だけじゃなく、早紀まで追い詰めて、一人で背負込ませて。――あの時。
『ゔああああぁぁあ゙あァァ!』
叫び声を上げて逃げていった早紀はなにを思っていたのだろうか。
親友が殺されて、俺達が帰って来て、きっと、次は自分だと。怖かったよな。苦しかったよな。そうだよ。早紀だって普通の、か弱い女の子なんだ。怖くて、怖くて、ただ、怯えてたんだ。
なのに、俺は、
早紀に美菜の面影を見つけて笑ってた。また美菜が戻って来てくれたんじゃないかなって、そんな風に思って心のどこかで悦んでた。
「っ、ごめ……ごめん、早紀…」
強く握り締めた手紙が、くしゃりと哀しい音を立てる。その、潰れた手紙から仄かに漂う甘い香りは、いつの日かの早紀の笑顔を一緒に運んできた。けれど、彼女の笑顔はもう二度と見れない。
馬鹿だ、俺。本当に馬鹿過ぎて泣けてくる。
早紀の気持ち、全然気付いてなかった。それどころか美菜だけじゃなく、早紀まで追い詰めて、一人で背負込ませて。――あの時。
『ゔああああぁぁあ゙あァァ!』
叫び声を上げて逃げていった早紀はなにを思っていたのだろうか。
親友が殺されて、俺達が帰って来て、きっと、次は自分だと。怖かったよな。苦しかったよな。そうだよ。早紀だって普通の、か弱い女の子なんだ。怖くて、怖くて、ただ、怯えてたんだ。
なのに、俺は、
早紀に美菜の面影を見つけて笑ってた。また美菜が戻って来てくれたんじゃないかなって、そんな風に思って心のどこかで悦んでた。
「っ、ごめ……ごめん、早紀…」
強く握り締めた手紙が、くしゃりと哀しい音を立てる。その、潰れた手紙から仄かに漂う甘い香りは、いつの日かの早紀の笑顔を一緒に運んできた。けれど、彼女の笑顔はもう二度と見れない。