あの日、僕等は罪を穴に埋めた─secret summer─
【アトガキエトセトラ】
『あの日、僕等は罪を穴に埋めた─secret summer─』

十年ぶりに加筆修正をさせて頂きました。

こちらのお話は2011年度の携帯小説大賞のテーマ【勇気】に沿って当初考えていたストーリーとはかなり内容を変えて書き上げたものとなります。当初はもっと救いがなく、千秋たちはただのクズ野郎の設定でした。ですが勇気をテーマに書く上で、その設定はないなとほぼ全てをボツにして今の僕罪があります。

2011年当時に読んで下さった方様、応援して下さった方様、本当にありがとう御座いました。今回、ラストを少し変えております。2022年版の僕罪も少しでも楽しんで頂けたら幸いに思います。

さて、勇気をテーマにとのことで。

本作でもそれぞれの人物に勇気があれば、変わる未来があった。そういった意図をもって書かせて頂きました。

千秋が父親と真正面からぶつかっていれば、友に心の内を曝け出していれば。また、違う世界が待っていたでしょう。

美菜を追い詰めて事故に遭わせてしまったけれど、すぐに救急車を呼んでいたら。美菜は死んでいなかったでしょう。

早紀が勇気を出して千秋に告白をしていたら、千秋は人から愛される喜びを知ったでしょう。

綾が早紀に美菜を虐めることを止めるように意見する勇気があったら。幸次が、聖が、千秋の暴走を止める勇気があったら。

勇気を出して一歩を踏み込んでいれば。何もかもが変わっていたのかもしれません。皆がみんな一歩足りなかった。

だからこそ本作に救いは作りませんでした。千秋達の罪にはそれ相応の罰をと考えた結果のラストです。後味の悪いお話になってしまいましたが、これが私の考えた【勇気】のかたちとなります。

後書きまでお付き合い下さり、本当にありがとう御座いました。


2011/10/01
2022/04/20  ナナ
< 165 / 173 >

この作品をシェア

pagetop