あの日、僕等は罪を穴に埋めた─secret summer─
 
「ま、なんつってもだよな?」
「そうだな」
「だよね?」
「ほぉんと、早紀は旦那にも容赦なさ過ぎ!」


一斉に視線と言葉を投げかけられ、少しだけ面を食らってしまった。けれど、そんな私に助け船を出してくれる大切な、大切な人。


「まあ、仕方ないって俺は諦めてるけど?」
「はは、ごめんね千秋」


手を合わせて舌を出すと、綾がまたお怒りモードで上唇を尖らす。幸せ過ぎてごめんね?でも、こうなるまでに頑張ったんだよ。それを綾もみんなも千秋も知ってるから、これ以上はなにも言わない。


「あー!私も婚活しよっかな~」
「ぶっは!じゃあよ、余り者同士で結婚すっか?」
「はあ?!バッカじゃないの!」
「馬鹿じゃねえよ!」
「バカじゃん!」
「ああもうほら、バカの共演がはじまった」
「「千秋ひどい!!」」


笑って、怒って、笑って。

こんな他愛のない時間が愛おしい。何気ない日常が嬉しい。
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