あの日、僕等は罪を穴に埋めた─secret summer─
「………ねえ、あなた、」
「っ、」
「ふふ、千秋君、でしょう?それに幸次君と聖君、綾のぉ、友達」
喉の奥がカラカラに渇いて張り付く。
「どうしてえー、綾が、綾がぁ……こんな目に遭わなきゃいけなかったのか、知らないの?ねえ、友達だったんでしょう?何か、何でも……ねえ、お願い、何か、なにか、……知らない?」
痛い。苦しい。呼吸すらも儘ならない。――でも。
『美菜ちゃんが行方不明だってよお。お前ら、仲良かったさ?何か知らねえのか?』
古い記憶がひとつ、非道い答えを導き出してくれる。
「俺達は、何も」
平気で嘘を吐いた。
〝また〟嘘を吐いた。
何食わぬ態度で、さも心悲しげな表情を浮かべながら。
真実を隠し、繰り返す罪。
俺達にも綾のように制裁が下るのだろうか。美菜からの、制裁が。