あの日、僕等は罪を穴に埋めた─secret summer─
≪4≫ 白昼夢
*
『ちーちゃ……苦し…』
階段から突き落とされたような、全身が粉々に砕けてしまったような、そんな衝撃から目が覚めると見知らぬ天井が広がっていた。
「千秋、大丈夫か?」
「ひじ……り、」
ああ、そうか。
「悪い、ちょっと嫌な夢見てた」
昼間と通夜のことがあって臆病風に吹かれた俺は、聖の実家に厄介になっていたんだった。寝惚けていたとしても忘れるだなんて。どうかしてる。もうずっと。囚われて、逃げ出せないほどに。
「朝には幸次も来るしちゃんと睡眠取っときな?」
「……ん」
月明かりに浮かぶ聖の顔は穏やかで、優しくて、安心よりも何故か不安を搔き立てられた。聖は今、何を想っているのだろう。
『ちーちゃ……苦し…』
階段から突き落とされたような、全身が粉々に砕けてしまったような、そんな衝撃から目が覚めると見知らぬ天井が広がっていた。
「千秋、大丈夫か?」
「ひじ……り、」
ああ、そうか。
「悪い、ちょっと嫌な夢見てた」
昼間と通夜のことがあって臆病風に吹かれた俺は、聖の実家に厄介になっていたんだった。寝惚けていたとしても忘れるだなんて。どうかしてる。もうずっと。囚われて、逃げ出せないほどに。
「朝には幸次も来るしちゃんと睡眠取っときな?」
「……ん」
月明かりに浮かぶ聖の顔は穏やかで、優しくて、安心よりも何故か不安を搔き立てられた。聖は今、何を想っているのだろう。