あの日、僕等は罪を穴に埋めた─secret summer─
羽を捥がれた蝶のように、力なく藻掻く姿に砕けた理性。

これは俺と美菜しか知らない二人だけの秘密。


『悪いな、美菜』
『い、嫌だ……いや、ちーちゃん!っ、止め…!』


抱き締めると折れてしまいそうな細く脆い身体。けれど、抱き締めるだなんて優しい行為は一切なかった。自分の欲望のままに美菜を弄んだだけ。心も、身体も、無茶苦茶にしただけ。

特別、だったからこそ。転落は早かった。

俺達〝六人〟は、とても、とても、仲が良かったと思う。親友と呼べる間柄だったのではないかと思う。

それなのに、俺は自分の親が村長である事を利用して友達を使って友達を陥れた。そんなの、本当に親友と呼べるのだろうか。信じていた。信じられなくなった。だからこそ疑いが増して、壊れた。

皆、俺の家が持つ権力に恐れていただけで、本当は、
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