あの日、僕等は罪を穴に埋めた─secret summer─


聖が用意してくれた朝飯を平らげ、俺達は今後についてを話し合った。とは言え、具体的にどうすれば良いのかなんて解らない。答えのない論議は永遠に平行線。打開策なんて簡単には見つからない。


「今更、自首して済む問題でもねえしな」


ぽつりと呟いた幸次の言葉が、湿気を帯びた空気と混ざり合って虚しく消えた。流れる汗、沈黙、思考が蜃気楼のように揺らめく。


「そもそも、本当に美菜の仕業……復讐、なんだろうか?過敏に反応しているだけで」
「でも聖、俺達は見た…よな?」
「……ああ」


ぞわぞわと無意識に泡立つ肌。


「ちょ!ま、待ってくれ!見たって何をだよ?!……まさ、か、美菜を見たとかって言うンじゃねえだろ?」
「その、まさかだよ」


真っ直ぐに俺と聖の目を射貫いた幸次は、これが嘘や冗談の類ではないと瞬時に悟り、諦め、眉間に皺を寄せて項垂れた。


「……マジ、か」
 
< 28 / 173 >

この作品をシェア

pagetop