あの日、僕等は罪を穴に埋めた─secret summer─
≪5≫ 第二の犠牲者


〝彼女〟の第一発見者は母親だった。


『惨いことをする』


現場に派遣された県警の刑事は、ただそれだけを言ったという。

彼女――景山(かげやま)早紀(さき)

俺達と共に罪を犯した嘗ての仲間。

早紀とは結局まともに話すことすら出来ないまま、その最期だけを器械的に言い渡された。いよいよ逃れられなくなる。

綾と同じく遺体付近に残された謎の〝二人目も迎えに来た〟と書かれた紙。そして、ノコギリか、チェーンソーか、ギザギザの刃物で非情にも生きたまま切断されたと思われる両足。

死因は出血性ショック死。骨と、雑に削ぎ落とされた肉の間に埋まるようにして隠されたメッセージには、

〝次は胴体を貰いに行く〟それは、俺か、聖か、幸次か。
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