あの日、僕等は罪を穴に埋めた─secret summer─
強制的な死を迎える可能性が確立されていく立場となった今、ようやっと理解した。恐怖、後悔、届かぬ懺悔(ざんげ)は負の連鎖。


『死にた…く、ない…』


そうだよ、そうに決まっている。

本当に自分はなんて愚かなことをしてしまったんだろう。綾も死んだ。早紀も死んだ。次は俺かもしれない。幸次、聖、大切な友が、順番に消されていく。馬鹿な。被害者ぶるな。他でもない。

最初に〝命〟を奪ったのは俺じゃないか。


『ああ、死んだのか』
『……千秋?』


美菜を殺したのは俺なんだよ。
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