あの日、僕等は罪を穴に埋めた─secret summer─
「〝竜門美菜〟ちゃんって、居たよね?」
ああ、クソ。
「彼女を入れて、六人で仲が良かったそうじゃないか。でも、おかしいな?どうやって調べても美菜ちゃんの所在だけが掴めない」
自分の腕に落ちる木漏れ日が、ゆらゆらと大きく揺れた。
森が啼く、風が騒ぐ。
「聞けば彼女、五年前から行方不明だそうだね。君達は本当に〝何も〟知らないの?」
丁寧に、慎重に、ぐるりと張り巡らされた蟻地獄。一歩踏み出せば確実に〝堕ちる〟罪の穴。退路は断たれ、早くはやくと誘う声。
「実は、興味深い話を聞いたんだ」
芝居がかった仕草で顎に手を添え、男は確信の牙を剝く。
「ある一定の時期から美菜ちゃんは君達と一緒に居る時も笑わなくなったって、同級生の子達が言っていたよ?おかしいね、とても仲の良い〝友達〟だったんだろう?」
ああ、ああ、
本当に、クソッたれ。イッソ、此処デ、美菜ノヨウニ――