あの日、僕等は罪を穴に埋めた─secret summer─


三人の若者たちが去った、森の奥の奥。


「さあて、暴かせて頂きますか」


予め隠していたのか、草木の茂みから持ち上げたのは重量感のある大きなバッグ。そのファスナーを開けると、出てくるのは軍手やシャベルの類。それと、綺麗にファイリングされた数枚の資料。


「なかなか良い記事が書けそうだ」


クックッと噛み殺せない悪い笑みを浮かべる男の手のなかには、先程の資料とは別にずっと懐に忍ばせていた一通の手紙があった。


「この情報が正しいとして。狙うとするなら――彼かな?」


〝秘密〟の綻びは案外予期せぬところから欠けて、漏れ出る。だからこそ誰も咎めることは出来ないし、未然に防ぐことも出来ない。


「……これは」


男が開くパンドラの箱の底に残っているのは、希望か、絶望か。
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