あの日､僕等は罪を穴に埋めた─secret summer─

勝手に卑屈になって、勝手に距離を置いて、勝手に信じてなかった。幸次と聖が俺なんかのことをあんな風に思ってくれていただなんて知らなかったから。幼稚な俺は、被害妄想で壁を作った。


（美菜を取られたくない。俺には逆らえないだろ？！）


ああ、ああ。馬鹿だ、大馬鹿野郎だ、本当に。どうして幸せになれたかもしれない未来を自らの手で捻じ曲げてしまったんだろう。

先程の二人の言葉をもう一度繰り返し、頭の中で再生してみた。目を閉じて巡らせる。素直に歩んでいたのなら、と。


（そうだ、美菜に、普通に気持ちを伝えて）


幸次にひやかされて、聖に頑張ったなって褒めてもらって。

綾と早紀はどうしてくれただろうか。女子組は美菜の方について、一緒に弄られたり……したのかな？そんな、平凡で平和な未来。


（皆、みんな、笑ってる）


ガキ臭い友情ごっこに見えるけど。笑っていられた。六人で、ずっと。誰一人欠けることもなく、世界が壊れることもなくって。六人で、あたたかな日々を。大好きだったこの土地で。


「――っ、」