あの日、僕等は罪を穴に埋めた─secret summer─
「………美菜」
無意識に口走った名前に、体温が消えた。
「っ、…俺、もしかして、いま、」
情けなくも声と手が震え、それは遠く離れた聖にも伝染して音もなく共有される。たっぷりと間をおいて、絞り出された死刑宣告。
『千秋、覚悟を決める時なのかもしれない。俺達は償わないといけないんだ。結局、逃げられないんだよ』
「償うったって…」
『戻ろう、俺達の故郷へ』
「けど、」
『あそこには綾もいる』
聖の言葉に、先程まで流れていたニュースの映像を思い出した。懐かしいと感じた風景、あれは間違いではなかったのか。
「……聖、俺、オレ…」
『わかってる』
もう、後戻りは出来ない。もう、逃げることは出来ない。
もう、もう、隠せない。