あの日、僕等は罪を穴に埋めた─secret summer─
「っ、動けよ!足いい!」
絶叫虚しく、足はぴくりとも動かない。なにやってんだよ。これ以上、大切な人を失くして良いのか?違うだろ!
美菜を殺した。
綾も早紀も幸次も俺が殺したようなものだ。その上、聖まで?
『千秋、千秋は……俺達の分まで〝生きて〟罪を償ってくれな?』
――生きて。たった三文字の言葉。そこへ込められた想い。それをこの村に戻ってきて、懐かしい空気に触れて、封印していた心にも触れ、友と言葉を交わし、痛いほど身に沁みた、その真意。
「……ごめん……ごめん、美菜…」
どうか、聖だけは。
お前が好きだった聖だけは赦してやってくれ。聖は、聖だけじゃない。綾も、早紀も、幸次も、俺が巻き込んだだけなんだ。