あの日、僕等は罪を穴に埋めた─secret summer─
「そこらじゅうに掘り返した跡がある」
不自然にばら撒かれた花を避けながら、ある場所ですっと膝をつく聖。遠巻きでよくは見えない。それでも俺は肌で感じる。
〝答え〟はそこにあるのだと。
「……これ、あの週刊誌の記者がやったんじゃないかな」
つきんと蟀谷に走った痛みと共に蘇る、胡散臭い男の歪んだ口許。
「俺達にカマをかけているようだったし、あれから姿を見ないのも怪しいなって」
ああ、そうか。そういうことか。これでいよいよ逃れられなくなったわけだ。いや、流石にもう逃げるつもりはなかったのだけど。
「死んで償うのと、生きて償うの、どっちが辛いんだろうな」
「……聖?」
どこか遠くを見つめながら呟く聖の顔はやっぱり見えなくて。見えないからこそ、益々不安になる。怖くも、なる。