終わりかけの永遠に
「次で、最後の曲です。最後の曲は、俺にとって...いや、俺らにとって、すっごく大事な曲です。...聴いてください、『Lily』」


千歳くんは、優しくギターの弦を震わせた。
私も、さっきより柔らかく、というのを意識して弾く。

これは、千歳くんと明くんの大切な曲。
絶対に、成功させる。


「暗闇の中で藻掻いてばかりで」

「独りぼっちだと塞ぎ込んでいた」

「誰にも届かない叫びを 声が枯れるほど上げた」

「自分と同じように叫ぶ誰かの」

「その声の方を彷徨い歩いて」

「気がつけばここにいたんだ」

「君がいる この場所に」

「お互いの叫びに気づいた唯一の存在」

「そんな君との歓喜の叫びが」

「世界の誰かに届きますように」

「その叫びが誰かを救えたら」

「夢を掲げ世界に叫んだ」


最後の千歳くんの歌声は、涙声で、震えていた。
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