終わりかけの永遠に
その曲を歌い終えると、青年はギターを構え直した。


「実は、もう一つ、デビュー曲である『lily』と共に、発表する曲があります。作詞家である朝比奈莉愛さんが、俺のために書き下ろしてくれた曲です。聴いてください、『永遠』」


その曲は、彼女らしい、真っ直ぐな歌詞だった。
悲しみ、辛さ、喜び、幸せ。
その一つ一つの大切さを、丁寧に書き綴っている。

その曲を、青年は気持ちを込め、等身大の自分で、伝えようとしていた。


その姿をテレビ越しで見ていた彼女は、嬉しそうに微笑んだ。












End.
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