終わりかけの永遠に
放課後、遊びの誘いをくれた咲良に申し訳なく思いながらも断り、私は騎田くんの元に向かう。


「はぁ...なんなんだよ。そろそろウザくなってきたんだけど」


怒る気持ちも分かる。
でも、諦めたくない。
騎田くんに、芸能界に興味を持って欲しい。


「お願い、少しでいいから。着いてきてくれないかな」

「どこに」

「夢がある場所だと思ってる。私は」


真っ直ぐ彼を見つめる。
彼はため息をついて、「少しだからな」と言ってくれた。
彼なら分かってくれるはず。
優しくて、綺麗な声を持つ彼なら...。
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