終わりかけの永遠に

大まかではあるけど、騎田くんの話をした。
騎田くんの歌声がすごいってこと、騎田くんに芸能界を勧めたこと、寂しそうな表情を見せること。


｢んー...千歳くんの今の気持ちかぁ...｣


二人は首をかしげた後、お互いの顔を見合わせて微笑んでいた。


｢えっ、分かったの？｣

｢まぁ、ざっくり？｣

｢うんうん。ちーちゃん、結構下手なのかもね｣

｢どういうこと？｣


全て分かっているかのような二人の言い方に、モヤモヤする。


｢早く言ってよー｣

｢じゃあ、可愛いりーちゃんに教えてあげよう！｣

｢千歳くんは、歌が何より好きだってことをな！｣


自慢気に言う二人。


｢いや、騎田くんが歌を好きなのは知ってるんだけど...？｣

｢うん。それで、ちーちゃんはきっと、歌に情熱を持ってるはずってこと｣

｢つまり、デビューしたいとは、思っていたはずなんだ｣