終わりかけの永遠に
次の日。
私は学校に来てすぐ、屋上に上がった。

案の定、つまらなそうな表情で景色を見ながら、赤いヘッドフォンをつけていた。


「騎田くん!」

「...あんたか」


もういちいち反応するのも面倒になったらしい騎田くんは、無表情で対応してきた。


「騎田くんの夢、叶えたいの!」

「はぁ?」

「本当は歌うのが大好きで、デビューだってしたいと思ってるんでしょ?」

「はぁ...なんなんだよ」

「騎田くんの本当の気持ち、分かったの!」

「俺はそんなこと言ってねぇけど」


冷たい目。
でも、本当は違う。
歌に情熱を持っている、熱い人。

全部陵くんと響くんが言ってたことだけど、私もそう思ったから。


「私に任せて。騎田くんの本心、騎田くんにはっきり気づかせてあげるんだから」


私には、自信があった。
きっと彼を、デビューさせる。
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