終わりかけの永遠に
「...つーか、この高校、軽音部無いだろ」

「うん!だから設立するの!」

「部員は?」

「私と騎田くん!」


その返答を聞いて、騎田くんは呆れた表情をする。


「俺、入部するなんて言ってねーし。ってか、二人じゃ無理だろ」

「どうにかするから!」


私はとにかく必死で軽音部を押す。


「騎田くんの夢への第一歩!」

「別に俺は...」

「バンド、好きでしょ?音楽の時間に歌ってたのも、少し前のバンドの曲だったよね?」


私のその言葉に、「あの曲知ってんの?」と少し驚いたようすで聞いてきた。


「うん。少し前に人気だったよね」

「人気って言ったって、知ってるヤツはかなり少ない。すぐに解散したしな」

「そうなんだ...」

「あんた、バンド好きなの?」

「んーまぁまぁ。でも、陵くんと響くんの歌うバンドの曲は好き。よく一緒にギターの練習してくれたんだー!」

「ギター、弾けるのか...」

「まぁね!」


騎田くんはかなり驚いたみたい。


「ねぇ、軽音部に入ろーよー」


そんなことより軽音部を設立したい私は子どものようにせがむ。


「あーもー分かったよ。その代わり設立はお前が全部責任持てよ?」

「ほんと!?やったー!」


私の子どもみたいな行動に呆れているみたいだけど、そんなの気にしない。

私は階段を駆け降り、職員室の扉を開けた。
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