終わりかけの永遠に
「先生っ」


突然私が入室したことで、先生たちは驚いている。


「君は...」

「1年3組、朝比奈莉愛です!」

「朝比奈さんね。どうかしたの?」


その質問に、待っていましたと言わんばかりの表情で、私は答えた。


「軽音部を設立したいのですが!」


私の言葉にポカーンとしている先生たち。


「軽音部かぁ。何年か前に廃部になりましたよね?」

「あぁ、確かデビューが決まった...」

「陵くんと響くん!二人に憧れてるんです!」

「なるほどな。で、部員は?」

「私と騎田くんです!」


その続きがないことに、先生たちはガクッと漫画のようなアクションをした。


「えっ、二人...?」

「はい!」

「いやいや...二人じゃバンドとか出来ないと思うぞ?」

「あくまで中間地点なので問題ありません。将来のために、練習する場がほしいんです」


真面目に言って、どうにか説得する。


「朝比奈さんは、バンド活動が夢なの?」

「いえ、私の今の夢は...夢を叶える気持ちを、彼に持たせることです」
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