終わりかけの永遠に
放課後。
私達は部室に行き、練習をする。


「今日は何の曲がいいかな?」

「そうだな...『Dream and fact』なんてどうだ?」

「いいと思いますよ。僕もこの曲はよく知っています」


『Dream and fact』は、夢と現実の狭間で葛藤する人の叫びが描かれている曲。
大人になりきれない、丁度私達と同じくらいの少年少女達の叫び。


「あんたも知ってる?この曲」

「うん。もちろん」

「じゃあ決まりだな。行くぞ」


騎田くんの合図と共に、私はベースを鳴らした。

騎田くんの繊細なギターとは真逆の、劈くようなシャウトが、この室内の温度を上げる。

すごい。

その一言以外、何も言えないくらいに、騎田くんはすごい。
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